REPEAT 1(ハルアベ)

二つ目はハルアベ。
このお話はちょっと長めに続いていきます。
連載風味かなあ？？

「REPEAT 1」-ハルアベ(切なめ)
片想い阿部のお話。高校に入っても忘れられず、
そんな阿部は過去に戻って…？　的な話。
一話目の阿部君はふらふらめそめそ。

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気づくのが遅いことは、悪いことだ
気づいたときには誰かに掻っ攫われてる

俺だってアンタが好きだったのに。

いまさら遅いんだ、それで終わってしまう
榛名さん、俺はずっとずっと好きだったよ
好きなアンタが離れてしまうのが、悲しかったよ

素直になれなくて、すみません。
でも俺にとってもアンタにとっても今更でしょう
…、ふと、涙が止まらない

榛名さん榛名さん榛名さん榛名さん榛名さん榛名さん

すき　です

どうして言えなかったんだろう
どうしてアンタに、思いを伝えられなかったんだろう

弱虫なあの頃の俺は、アンタから背を向けた
怖くて、いつだって背を向けていた
(タカヤ…！)
俺の名前を呼ばないでください
だってもう伝わらないんでしょ、
アンタは俺が好きじゃないんでしょ

もういらない　あんたの気持ちなんていらない

 

ちゃんと榛名さんにすきって言いたかった
あんな中途半端な形で終わりたくなんて無かった
アンタのことを、

「阿部くん、…？」
「っ、ああ、…三橋、か」

後ろから呼びかけてきた三橋にびくりと体が揺れる
心配そうに俺を見てくる三橋に、精一杯の笑みを返した

「…阿部君、また、ハルナ、さん…？」
「っ…！！」

まずい。顔に出してしまった。
慌てて言い訳しようとする、

三橋はすでに泣いていた。
うぅ、と嗚咽を漏らしながら泣く三橋に、俺はため息を吐く。
言い訳のかわりに、三橋の髪の毛にそっと触れる

「俺っ、ハルナさん、のかわりに、なれなく、てごめん、なさいっ」
「…俺はお前に榛名の代わりになってほしいなんて思っちゃいねえよ」
「っで、でも…」

分ってる
コイツは一生懸命で俺の望むピッチャーだ。
俺のために、俺のために。
必死になってくれる

三橋の体を抱きしめた
それでも泣き止まない
…どうしたらいいのか、分らなくて俺も泣きたくなる

ねえ榛名さん、アンタは俺が泣いてたらどうしますか
抱きしめて、くれますか
慰めて、くれますか

俺は泣いてたら抱きしめてほしかった
だから、俺は今あの頃の自分への後悔も含めて、
泣いてる三橋を抱きしめる

「あべくん…なかないで、」
「…おめーもなくなよ…」
「ごめん、なさい」
「…悪い…」

お互いに抱きしめあう
俺らは慰めあうことしか出来ない
俺は、三橋を利用してる…卑怯な、ヤツ
謝るのは罪悪感があるから

本当はこうしたいのはお前じゃないんだ
…そんな事を思う自分がいつだって憎たらしい

 

アンタと一緒に居た、大好きだったあの頃に帰りたい
このままだと過ちを繰り返してしまいそうで、

戻れるならば戻りたい
戻れないことなんて知っている、けれど…

ぽろ、ぽろ、ぽろ、ぽろ...
とまんねえ、想い、涙、

「榛名さんっ……」

 

REPEAT - 1 -

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これもちょっぴり非現実的なお話
片想いな阿部が、過去に戻っちゃったりと...

2.4