いつか(利準)

準さんの誕生日なんでもう一作品書いてみた
利→準→和。報われないりおーと準さん。
一応利準…　利央は本当にかわいそうで可愛い(ちょ

「いつか」-利準(シリアス)いちお準さんはぴば小説。
(続きを読む...でどうぞ) 

俺じゃ駄目ですか
準さんは絶対あの人じゃないと駄目なんですか。
ねえ、準さん、俺を、俺を見てください
俺が貴方を支えます

目の前の利央が必死にすがり付いてくる。
何度も何度も駄目かと聞いて。
利央は強く俺のシャツを引っ張って、俺の名前を呼ぶんだ
俺はお前の呼ぶ声に応じられないよ
だって、俺はお前が思うような奴じゃないんだ

「準さん…」

頼むからこれ以上俺の心をかき乱さないでくれ
俺には和さんしか居ないんだよ
お前のことなんて好きになってやれないんだよ
だから俺のことなんて嫌いになれ

尊敬なんて、しなくっていいんだよ

「離れろよ、利央」
「いやだ。準さんはどっか遠くに行くつもりだ、俺は離れない」

強い目で訴えてくる利央がどれほど俺を思ってくれてるかなんて知ってる
こいつは俺の後ろをひょこひょこと、飽きずについてきた奴だ
「準さん準さん！」－落ち込んでる時も、笑顔で励ましてくれた。

大丈夫、大丈夫。俺が居ます。
何度いわれたか分らない言葉。ただ大丈夫だって、繰り返された。
だから…言ってるだろ
お前が居たって意味無いんだ
何度も言ってるじゃないか。


「…利央……駄目なんだ…」
「…、それでも、…俺は」


和さんが居ない
もう和さんは俺の球を捕ってくれないんだ
あげくのはてに、もう一緒に居られないと言われてしまった
情けないな　俺はそこまで和さんに必要とされてないんだ


「もう、駄目、かもしれない、な」


利央は俺を腕の中に閉じ込める
後輩の癖にやけにでかく育っちまったコイツの腕の中に、
俺はすっぽりと納まってしまう。

利央の浅い呼吸音。
やけにふわふわの金髪の髪の毛が、俺の顔にかかる。
思わず目の前の髪の毛を、指に絡めてしまう。


「じゅん…さん…、駄目なんていわないでください…俺が、俺が支えますから」
「……あほりお…」


だから、何で俺なんだよ…
声に出し切れなかった思いが涙になってこぼれる。
何でお前は俺なんだ。俺じゃない誰かなら良かった。

利央、お前はいい奴だよ。
俺なんかにはもったいない。

お前の思いを無駄にするのは、辛いんだよ
俺だってお前を好きになってやれたらどれほど良かったか



「好きになってやれないんだよ
お前がどんなに俺を想ってくれたって、俺はお前を想ってやれない」

だからこれ以上辛い想いなんてしなくっていいんだ
俺を忘れてほかの奴を好きになってくれ
俺も…俺も…

「俺はずっと待ってます！！準さんがっ、準さんがちゃんと笑えるようになるまで…！
想い返さなくたっていい、俺が貴方を好きなだけなんです」

利央の力が強くなる

こんなにも想われていたなんて
俺自身こんなにも和さんのことを想っていたなんて。
瞳から流れ落ちるものは止まってくれない。

「う、うぅ…っ」
「いいんです、俺のことはいいんです…、」
「…っ、和さ、…ぅっく…！」

止まらない。
止まらなくて、それは徐々にとける
ゆっくりと、そしていつかきえる

誰だって自分が第一で、俺だってそうで。
でも利央は、コイツは…
こんなにも、こんなにも俺を想ってくれてる


「っ、ごめんなっ、…りお…」


今は思える

いつしか、いつしか和さんへの想いも消えて
お前のことを俺も少しでも想ってやれたら




いつか

-----
準さん誕生日おめでとう…うっうっ…
りおーはきっと報われない恋をしてるに違いない
いつか報われるといいね！